History…
煉瓦住宅と言えば欧米の住宅を思い浮かべる事でしょう。ではどのような普及経緯があったのでしょうか。実は欧米に於いて煉瓦住宅が広まった原因は「大火災」によるものでした。時は産業革命時代、様々な文明の発展により人口が爆発的に増えます。当然ながら住居の数も増え、やがて住宅密集地が形成されます。なんとその当時の住宅は木造が主でした。そんな中1666年イギリスのロンドンにて世界の火災史に名を刻む大火災が起きます。「ロンドン大火(The Great Fire of London)」です。密集した木造住宅は次々と延焼しロンドン市内の85%の家屋が焼失したと言われています。この大災害の後、ロンドンでは不燃材である石造または煉瓦造の住宅以外を禁止する法律を制定しました。同様の事がイタリアやドイツ、またアメリカでも起きます。かくして欧米では煉瓦住宅が急速に増加していきました。
日本での煉瓦建築は、開国以前より交流のあったオランダの指導の下、煉瓦建築がスタートしました。本格化したのは明治初期、文明開化の頃です。対象となったのは住宅ではなく製鉄所や造船所と言った火災の起きやすい建物です。つまり日本に於いても延焼を防ぐ事を第一として煉瓦が採用されました。その後の西洋ブームも追い風となり煉瓦建造物は近代化と高級建造物の象徴となります。しかし1923年の関東大震災によって大きく風向きが変わる事となります。当時の建造物の多くは耐震性を考慮しておらず、地震により倒壊し、甚大な被害を及ぼします。これを受け法制度が改正され、煉瓦造りの建物は、壁を厚くする事が義務付けられました。材料費の増加、煉瓦造りに対する不安感、そして鉄筋コンクリート造の普及等の理由により煉瓦の建造物は減少していったのです。
1)最良の外壁とその癒し効果
煉瓦は、地震に弱いというイメージを払拭したのが、ブリキットシステムで、耐震等級3の地震に最も強い住宅です。 もともと、煉瓦はメンテナンス不要の稀有な外壁材です。メンテナンス性をよくするため通気層をとり、外壁材として利用されているガルバニウム鋼板を下地材として使用し、煉瓦をはめ込み目地をモルタルで仕上げるという耐震性、メンテナンス性を加味した最良の外壁です。 歴史ある煉瓦住宅を見て癒しや安堵感を覚えた事はないでしょうか。経年美により建物に深みを与え、いつの時代の人からも愛着を持たれます。無垢材のフローリング、アンティーク家具、あるいは、革製のバッグなど、年月が経てば経つ程にその味わいを増し後世に継がれて行くように感じられます。この癒しや安堵感は、なぜかと研究した論文もいくつかあります。
2)サスティナブルと住環境
煉瓦は、ご存知のようにメンテナンスフリーの材料であり、目地を外せば、リサイクルとして使うことができます。増改築にも対応でき、社会環境にも優しい材料です。ボンド等の接着剤を使用してもいないため廃材等もリサイクルできます。もともと煉瓦は古来よりリサイクル材料として使われ、古い物の方が価値があるといわれています。100年、200年の単位でリサイクルを繰替えされアンティーク煉瓦として価値をあげてきました。
3)断熱性の高い煉瓦
もともと煉瓦は、釜等に使われるぐらい熱に対する耐火性は、極めて高く、熱の伝導率(0.62)は、低い材料です。夏や冬の厳しい環境にも適した素材です。また、質量が大きいので輻射熱が大きくなり、急激な温度変化をふせいでくれます。これが住宅の温度環境に寄与してくれます。
Brick Lineup
セントマイケル
セントルイス
ペッパー
ノーフォーク
スノー
レッド
オータム
マスカットタン
ウィンザーサンド
パディントンブルー
ブリスベンレッド
キングストン